地震大国の日本で住宅を建てる際に「大きな地震がきても倒壊しないか、地震に対する安全性は高いのか」気になる方も多いと思います。
日本では震度6以上の地震が年に2回以上の割合で発生しているといわれており、あなたが震度6以上の地震に合う確率も決して低くはありません(世界で発生する巨大地震の約20%が日本で発生しているそうです)。
「地震で人命や財産が失うことがないよう」大きな地震を経験する度に住宅の基礎性能が見直され、地震に負けない強い住宅(=耐震性の高い住宅)へと生まれ変わってきたのです。
今回は住宅の耐震基準の歴史や、安全性についてご紹介させていただきます。
住宅の耐震基準とは?
耐震基準とは、大きな地震が起きても住宅が倒壊、損壊しない住宅を建築することを定めている基準で、建築基準法によって「最低限クリアするべき基準」として定められています。
「日本で住宅を建てる場合、この耐震基準に適合していないと建築できない」と決められており、この基準に満たない建物は“違法建築”となります。
この耐震基準には「“新”耐震基準」と「“旧”耐震基準」の2つがあり、どちらの基準で建築された建物かによって、安全性も大きく変わってくきます。
新耐震基準と旧耐震基準 安全性の違い
それぞれの地震に対する強さは下記のように異なります。
| 旧耐震基準 | 新耐震基準 | |
| 震度5強程度(中規模地震) | 倒壊しない | 軽微な損傷(ひび割れ程度) |
| 震度6〜7程度(大規模地震) | 規定なし | 倒壊しない |
このように、旧耐震基準は「震度5強」に対して「倒壊しないこと」が条件とされていますが、新耐震基準では「震度6〜7」の地震でも倒壊しないことが条件とされています。つまり、日本では珍しくない震度6以上の地震に旧耐震基準で建てられた住宅が被災した場合、倒壊する確率が極めて高いといえます。
耐震基準の確認方法
住宅の耐震基準が“新旧”どちらなのかを確認する方法は下記の通りです。
- 新耐震基準=1981年(昭和56)6月1日以降に建築する建物に適用
- 旧耐震基準=1981年(昭和56)5月31日までに建築した建物に適用
このように、新耐震基準と旧耐震基準を判断する基準となるのが1981年6月1日“以降”に作られた建物なのか、“以前”に作られた建物なのか、ということです。
旧耐震基準ができたきっかけ
1981年に旧耐震基準ができるきっかけとなったのが、1978年6月に発生した宮城県沖地震です。マグニチュード7.4(震度5)の地震が仙台市を襲い、住宅の全半壊が約7400棟、一部損壊が約86000棟という大きな被害が発生しました。
この時の建築基準法(旧耐震基準)では「震度5の地震が起こっても、建物が倒壊しない」ことが条件とされていましたが、結果的に多くの建物が全半壊・損傷してしまったため耐震基準を見直すことになります。
新耐震基準の誕生
宮城県沖地震をきっかけに「震度6強〜7の地震でも倒壊または崩壊しない耐震性」として定められたのが「新耐震基準」です。「地震の際、建物の中にいる人が倒壊して巻き込まれる被害を防ぐこと」が目標とされており、安全性の基準が大幅に引き上げられました。
耐震基準による阪神淡路大震災の被害の違い
旧耐震基準と新耐震基準で、具体的にどのような差があるのか。阪神淡路大震災の被害状況を元に確認してみます(平成7年阪神・淡路大震災建築震災調査委員会中間報告 : 被害のマクロ分析 ; 木造住宅等以外の被害調査分析 ; 今後の検討課題より参照)。
阪神淡路大震災は1995年1月17日午前5時46分に、兵庫県の淡路島北部を震源として発生した強い地震で、最大震度7(マグニチュード7.2)を記録。住宅の被害は延べ394,440棟(全壊100,282棟、半壊108,402棟、一部破損185,756棟)という大きな被害が発生しました。
この内、旧耐震基準で建築された住宅は19.8%が崩壊・及び大破しているのに対し、新耐震基準で建築された住宅はわずか1.6%しか崩壊及び大破していません。
| 被害状況 | 旧耐震基準 | 新耐震基準 |
| 崩壊・大破 | 19.8% | 1.6% |
調査結果でも旧耐震基準は「建築された住宅は被害程度が大きく、耐震性が著しく劣る」となっていますが、新耐震基準については「おおむね妥当」と結論が出されています。
このように、新耐震基準と旧耐震基準では住宅の安全性に大きな差があることが明確になっています。
新耐震基準の住宅を証明する「耐震基準適合証明書」
住宅が耐震基準を満たしていることを証明する書類が「耐震基準適合証明書」です。建築士や指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関などに依頼し、耐震診断を実施し、基準を満たすことができれば発行してもらえます。
この耐震基準適合証明書を発行してもらうことで、住宅の安全評価が高くなり資産価値が向上するほか、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)や登録免許税の軽減など、税金面での優遇を受けることが可能になります。
まとめ
今回は旧耐震基準と新耐震基準の違いについて解説させていただきました。新築の住宅を建築される場合、すべて新耐震基準が適応されるため気にする必要はありませんが、中古物件の購入を検討されている方は「新耐震基準で建築されているか」しっかり確認するようにしましょう。